私たちは生きるために全身の様々な細胞のミトコンドリアに酸素を届け、エネルギーを作り出していますが、加齢や運動不足、心身のストレス、外部環境の変化などにより、ミトコンドリアが酸素を“利用する能力”は低下してしまいます。
しかし、私たちは自分の細胞がどんな状況にあるかを細かく知ることができないため、知らず知らずのうちにエネルギーを生み出しにくくなっている可能性があるのです。
また、加齢や運動不足で酸素の利用能力の低下が慢性的になると、ミトコンドリアの数(量)と機能(質)に影響を及ぼし、さらなるエネルギー不足につながっていくのです。
日常の中で急いで階段を上る時や、ハードな運動をする時。また、毎日の休息・リラックスなど、様々なシーンにおいて、“エネルギー”が関わっています。エネルギーは呼吸をするにも、歩くにも、睡眠においても、私たちのあらゆる活動において欠かせないものなのです。

そして、エネルギー産生量は体だけでなく、脳や心の健やかな働きにも深くかかわっています。
脳の前頭前野は、思考や記憶、感情のコントロールなどを担う重要な領域で、10~20代をピークに、年齢とともに緩やかに変化していきます。脳は体の中でもエネルギーを大量に消費する臓器。エネルギー産生量は、記憶力、集中力、注意力、判断力を保つうえでも大切な要素です。

酸素を利用する能力は、加齢や運動不足とともに低下することが報告されていますが、近年では若年層においてもその能力が低下していることが指摘されています。「疲れやすい」「何もやる気が起きない」といった状態が続く場合、体が十分に酸素を利用できていない可能性があります。
この体の酸素利用能力を測る指標として、「最大酸素摂取量(VO2max)」があります。これは、運動時に細胞のミトコンドリアが1分間に体重1kgあたりどれだけの酸素を取り込み、利用できているかを示すものです。また、「全身持久力」を測る指標として、厚生労働省によって性別・年代別の基準値が定められています。一般的には女性より男性の方が高く、男女とも加齢と共に低くなる傾向があります。

単位:ml/kg/分
表に示す強度での運動を約3分以上継続できた場合、基準を満たすと評価できる。