「チャンバラ合戦」をはじめとした体験型イベントや企業向け研修の企画・運営を通じて、企業・自治体・商業施設が抱える多様な課題の解決に取り組む株式会社IKUSA。
同社の取締役である長野佳浩さんへのインタビュー前編では、長野さんご自身のキャリアや、IKUSAが大切にしている「あそびの価値」の可能性について伺います。さらに、地域活性化やウェルビーイングとの関係など、IKUSAが社会に届けたい未来についても語っていただきました。
※本記事は、当社よりケンフェロール含有製品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。
2006年に新卒で人材系の企業に入社し、全国規模の派遣事業に従事していました。その後、30歳のときにコンテンツマーケティングを手がける会社へ転職して、営業やディレクションを通じて100サイト以上の立ち上げに関わりました。

実は、大阪にある私の実家が、ウニやいくらなどの卸業を営んでいまして、もともとは、その家業を継ぐつもりでした。コンテンツマーケティング業界に転職したのは、ITを勉強して、レガシーな業界にデジタルの力を持ち込むことで、「天下一のウニ屋をつくろう」と考えていたからなんです。
私が「チャンバラ合戦」というアクティビティに出会ったのはその頃で、まだそれが事業として立ち上がる前のことでした。たまたま参加したイベントで体験したのですが、その楽しさに衝撃を受けて、「これを世の中に広げたい」と強く思うようになりました。

演出も空気感も“あそび”に没入する仕掛けのひとつ。自ら甲冑姿でイベントを盛り上げる長野さん。
結果として、家業を継ぐという道は選ばず、2015年に、株式会社IKUSA(当時は株式会社Tears Switch)に入社しました。
株式会社IKUSAでは「あそび総合カンパニー」というビジョンを掲げ、社会課題を“あそび”で解決することを掲げています。一つの例が、私たちの代表的なイベントである「チャンバラ合戦」です。ほかにも防災をテーマにしたイベントなど、様々な社会課題に“あそび”という切り口でアプローチしています。


「防災教育」を例に挙げると、「防災意識を高めましょう」と真面目に伝えても、関心を持ってくれるのは高齢層が中心で、若年層やファミリー層にはなかなか届きづらいという課題があります。でも、あそびを軸にすると、「楽しそうだから行ってみよう」と関心を持ってもらえて、楽しければ、そこから防災への興味が自然に生まれるんです。「あそび」には、そうやって“ゼロからイチを生む”力があると感じています。
防災以外にも、社会課題に対して、あそびだからこそ切り込める領域が多くあると思っています。

外部のタレントやショーなどを使わずに、コンテンツそのものを自社で開発・所有しているからこその満足度だと思っています。自社コンテンツのため、どんな現場でもすぐに対応できるノウハウとチーム力があるんです。
また、年間1000件以上のイベントを実施するなかで、何百回、何千回とPDCAを回していけることも、参加者の満足度が高いイベントに繋がっていると感じます。
サービス開発では、「年齢を超えて楽しめること」を絶対条件に、5歳から80歳までが楽しめることを前提に開発しています。
たとえば、「チャンバラ合戦」は、斬られても痛くないオリジナルのスポンジ刀を使い、相手の腕についたボール(命)を落とし合うというシンプルなルールで、年齢だけでなく、言葉が通じない海外の方でも直感的に楽しむことができます。

当たっても痛くないスポンジ製の刀と、マグネットで腕に装着するボール(命)。この道具が“本気のあそび” を生み出します。
特に印象に残っているのは、熊本市と毎年行っている防災イベントです。
2026年で、熊本地震から10年が経ちます。まだ完全に復興していない現実がある一方で、今の小学生低学年くらいの子ども達は、その地震を体験していないんですね。
地震の怖さや備えの大切さを知らない子どもたちに、防災の大切さを毎年知ってもらう場として、とても大切なイベントだと感じています。

“あそび”が防災の入口に。防災イベントではあそびをきっかけに、未来を守る意識が自然と芽生えていきます。
イベントには親子連れが何千人も来てくれます。子どもたちに「いざというときは君が家族を守るんだよ」と話すと、「楽しかったし、防災のことも分かったから、がんばるよ」なんて返してくれる。“あそび”を通じた学びの力を実感できる印象的なイベントです。
自治体には人事異動があるので、4年ごとに担当者が変わってしまうこともあります。しかし、弊社は、外部パートナーだからこそ継続的に関わり続けることができる。

ずっと長く関わっていくと、小さい頃に親子で「チャンバラ合戦」に参加した思い出が、「あのとき楽しかったよね」という形で、親子の絆になったり、小さな頃の楽しい記憶になったりします。それが、家族の絆や地元への愛着につながっていき、たとえば子どもが大人になって都心へ出たとしても、「自分の地元っていいな」「また何かで関わりたいな」という思いに繋がる可能性があります。
その種をまく役割を、“あそび”の場が果たしていると感じています。
特に、コロナ禍をきっかけにリモートワークが普及したことで、以前よりも、飲み会やオフィスでの雑談が少なくなり、人と人との距離ができてしまったと感じているビジネスパーソンは少なくありません。
そんななか、“あそび”を取り入れていただくと、人と人の間にあった壁が一気に崩れるんです。
対面で、仕事以外のことをみんなで全力でやるという経験をすると、普段見られない上司の笑顔が見られたり、部署を越えて自然な会話が生まれたりする。あそびは、仕事とは異なる「共通の目標」に向かって全力で楽しむ場なので、心の障壁が驚くほど下がります。
実際に「イベントをきっかけに、これまで話さなかった同僚と業務の会話をするようになった」という声は非常に多いです。

全力で夢中になって取り組むことで、話しやすくなり、人間関係が円滑になる、それが“あそび”がもたらすウェルビーイングの一つの形だと思います。
2015年に株式会社IKUSAへ入社。アクティビティ事業の立ち上げ期から携わり、2018年に取締役に就任。同社は“あそび総合カンパニー”として、「課題を見つけ、あそびで解決。」を掲げ、企業・自治体・商業施設を対象に、年間1,000件を超えるイベントや研修を手がけている。
