スポーツを楽しむための身体づくりに重要なのが「栄養」です。今回は、アスリートのパフォーマンスを栄養面からサポートする「スポーツ栄養士」として活躍される松岡未希子さんにお話を伺いました。
ご自身のキャリアと、栄養指導の考え方、献立を考えるうえでのアドバイスについてお聞きします。
※本記事は、当社よりケンフェロール含有製品を提供し、依頼したインタビューを編集して掲載しています。
もともと、食べることと、サッカー観戦が好きでした。中学・高校生の頃に、サッカーチームに栄養士が関わっていると知ったことがきっかけで、「スポーツに関わる栄養士」という仕事に惹かれ、栄養士の道に進みました。
現在は、アスリートの栄養サポートを中心に、弊社の栄養士のエンゲージメント向上のための取り組みや、健康経営に関わる栄養コンテンツの構築などにも携わっています。

食への意識が低かった選手に対して、サポートを重ねるうちに、関心を持ってくれるようになると、やはり嬉しいですね。サポートした選手が、その後メディアなどで「食事の大切さ」を語っているのを目にすると「ちゃんと伝わっていたんだな」と実感します。
一方で、栄養に関する専門職であるため、自分の発言一つが重く受け取られる場面も多いです。だからこそ「正しい知識を、正しく伝える」ということを心がけています。
一方的な栄養サポートにならないように意識しています。
選手によって、抱えている事情や環境、目標は異なります。だからこそ「これをやってください」と一方的に指導するのではなく、選手の状況をヒアリングし、「目標達成のためにどう取り組んでいくのがよいか」を一緒に考えるようにしています。

私たち栄養士が、どれだけ重要性を伝えても、本人の中で納得できていなければ、行動にはつながりません。だからこそ、どうやって選手自身の「気づき」を促せるかが大切だと考えています。
実際に、ある選手は怪我をしてから自分の体と向き合うようになり、食事の大切さに気づいたということもありました。
たとえば、選手からサプリメントに関する相談を受けたとします。その選手がプロテインを摂っているのであれば、私はまず「なぜプロテインを摂っているの?」と確認します。
そうすることで、本人が改めて目的を考えるきっかけになりますし、「もしかしたら必要ないかも」と自分で気づくこともありますよね。自分で考える癖がついていくと、主体的に判断できるようになり、結果的に継続できる食生活につながります。

たとえば、食事だけでは十分に栄養を補えないときや、海外遠征で普段通りの食事が難しいとき、あるいはトレーニングの強度が非常に高いときなど、状況に応じてサプリメントを上手に活用してもよいと考えています。
実際に、サプリメントをすでに摂っている選手や、「こういうものを摂ってみたい」と相談されることもよくあります。そういったケースでは、まず「何を」「どれくらい」「いつ」「なぜ摂るのか」を丁寧にヒアリングすることを重視しています。そのうえで、食事の状況や運動量、練習メニューの種類や強度なども考慮して、本当にそのサプリメントが必要なのかどうかを一緒に考えるようにしています。
サプリメントはあくまで“栄養補助食品”として、食事を基本にしながら、状況に応じた使い方を提案するようにしています。
料理を完食してもらってはじめて、献立や栄養素の設定量が成り立つので、「食べやすさ」や「完食するための工夫」は大事にしています。
栄養士として選手の献立を立てていくなかで、つい栄養バランスや数値にばかり目が行ってしまうこともありますが、いくら理想的な献立を考えても、選手が食べてくれなければ意味がありません。
まずは「どうしたら選手が食べやすく、好んで食べてくれるのか」を考えたうえで、必要な栄養をそこに乗せていくように考えています。

日々の献立を考えるうえでは、1食単位で厳密に栄養バランスをとるのではなく、「1日単位」「1週間単位」で栄養バランスを調整すれば続けやすいと思います。
たとえば「今日はどうしても揚げ物が食べたい」という日もありますよね。そういったときは、翌日の朝食や昼食では脂質を控えたメニューにすることで、一時的に脂質が多くなってしまった場合でもトータルでは調整することができます。
やはり、食べることは楽しいですし、美味しいものを食べることで気持ちも前向きになります。毎食「脂質が少ない食事」にこだわらなくてもいいんです。波があってもいいので、楽しみながら続けられる食生活が大切だと思っています。
そうですね。確かに、働いていて朝食を抜きがちな方も多いと思います。しかし、朝食は「体内時計をリセットする」という意味でもとても大切です。「しっかり食べなきゃ」と構えなくても「何かしら口にできればOK」くらいの気持ちで良いのではないでしょうか。

「パンだけ」「ご飯だけ」など主食に偏りがちな方は、簡単でよいので、たんぱく質も一緒に摂れると理想的です。たとえば、納豆ご飯、卵かけご飯、チーズを挟んだパンなど、簡単でもよいので朝にたんぱく質をプラスできる工夫ができるといいですね。
2015年に公認スポーツ栄養士の資格を取得。現在はエームサービス株式会社に所属し、アスリート一人ひとりに寄り添った栄養サポートを行うほか、社内の管理栄養士・栄養士の教育体制づくりや、健康経営に関わる栄養コンテンツの構築など幅広く携わる。